初仔よりは2番仔〜4番仔

繁殖牝馬の最初の産駒=初仔は体が小さくなりがちで成績もよくないという話を聞くことがあります。では実際に初仔の成績がどうかを検証してみようとおもいます。

1999年〜2018年生まれ20年間約100,000頭の国内サラブレッドのデータを使って、きょうだいで何番目の仔かと勝ち上がり率・収支の相関を見ていきます。

 

棒グラフ:年上のきょうだい(兄姉)の数(縦軸左)

折れ線グラフ:勝ち上がり率:% または収支金額:万円(縦軸右)

勝ち上がり率

横軸の一番左の0は初仔、そこから右へ2番仔、3番仔となります。

高いのは2〜4番仔あたりで一番良いのは3番仔の27%。そこから先はだんだん落ち込んでいきますが、グラフの一番左端の初仔は22%とよくなく、この数値を下回るのは9番仔からです。次に一口馬主クラブ所属馬に絞ってみてみます。

まずクラブ馬は全体的に勝ち上がり率が高いです。引き続き初仔はよくなく全体と同じく3番仔がピークですが全体的にグラフの右の方(母馬高齢になるような)おそめのきょうだいでも成績の下降が若干ゆるやかになっています。

 

収支

次に収支でみていきます。おなじく横軸の一番左の0は初仔、そこから2番仔、3番仔となります。対象を募集総額が明示されている一口馬主クラブ所属馬と買取金額がわかるセリ売却馬に絞っているので縦軸左の数値が先程より小さくなっています。

2番仔が一番よく、そこから徐々に下がっていますが収支ではあまり大きな差は見られませんでした。またやはり初仔はあまりよくありません。12(13番仔)のところで小さなピークがあったり、サンプル数は少ないもののグラフの右の方でも落ち込みがないのは母親高齢馬は嫌われて安くなる分収支面では十分”買える”ということも言えます。次にまた一口馬主クラブ所属馬に絞ります。

こちらは先程とは逆に遅めのきょうだいのほうがやや成績がわるいようです。これは一口馬主クラブの場合、きょうだいに活躍馬がいると”高く売れる”という要因が考えられます。ピークは2番仔や3番仔で初仔はそれらに比べるとやはりよくありません。

また初仔が2番仔3番仔などと比べてはっきり良くないのは、牧場ごと種牡馬ごとなどで偏った傾向はなく全体的に共通した傾向となっています。

 

結論

一口馬主においては2番仔3番仔がいちばんよい。初仔はあまりよくなく、きょうだいで初仔の成績を下回るのは9番仔くらいから