母親との年齢差は7〜9歳

母馬が高齢のときの仔は走らないと聞くこともありますが、そうではない例もときどき見ることがあります。それでは勝ち上がり率と収支を検証していきしょう。

1999年〜2018年生まれ20年間約100,000頭の国内サラブレッドのデータを使って産駒の母親との年齢差と勝ち上がり率・収支の相関を見ていきます。

 

棒グラフ:仔馬と母馬の年齢差ごとの頭数(縦軸左)

折れ線グラフ:勝ち上がり率:% または収支金額:万円(縦軸右)

勝ち上がり率

横軸が仔馬と母馬の年齢差、つまり母馬が何歳のときに産んだ仔かになります。

 

勝ち上がり率では9歳差がピーク(27%)になっていて、続くのは8歳・7歳差とこの辺りが一番良さそうです。また10歳差以降から徐々に成績が落ちていきます。あと初仔がよくない、という傾向にも関わるところですが4歳・5歳差の若すぎるときの仔はよくありません。次に一口馬主クラブ馬に絞ったグラフです。

やはり9歳差がピークですが母親が高齢になっても落ち込みが少なくなっています。

 

収支平均

次に収支(獲得賞金などからの収益から、クラブ馬なら募集総額+維持費等の支出を引いたもの)を見ていきましょう。

折れ線グラフが勝ち上がり率→収支平均に変わっています

今度は8歳差あたりでピークが見えますが注目すべきは4歳差とか、高齢のところで収支平均が高いところがあります。4歳差が高いのは3歳春前に引退あるいは未出走で繁殖にまわっていることで価格が控えめになるのでないかと、また高齢繁殖牝馬はやはり同様に高い価格がつかないのでないかなどと推測されます。

最後にまた一口馬主クラブ所属馬に限定します。

収支は6歳がいちばんよくなっています。6歳ということは4歳くらいには引退しているということで未勝利は脱出したがそんなに長くは活躍しなかった牝馬ということでしょうか。

 

また仔馬と母親との年齢差については生産牧場ごとに傾向があり詳細はこちらですが一部抜粋してご紹介します。

生産牧場ごとの傾向

ノーザンファーム、下河辺牧場:高齢馬でも成績が落ちることなく好成績

白老ファーム、追分ファーム:12歳差を底として8歳〜10差と15〜16歳差の2つの好成績ピーク時期がある

 

母馬と仔馬の年齢差(まとめ)

勝ち上がり率なら7歳〜9歳の時の仔馬

収支を考慮すれば4〜6歳、高齢馬も狙えるが、やはり7歳〜9歳差が無難