2021年度募集 有力種牡馬ランキング

2022年度種牡馬ランキングはこちら

2021年度一口馬主クラブ募集馬のなかでたびたび登場するおもな種牡馬を、産駒の平均勝ち上がり率ランキング形式で上位から一覧でご紹介します。

また種牡馬ごとの傾向として

・勝ち上がり、収支プラス、獲得賞金1億円以上の各割合

・生まれ年ごとの勝ち上がり率推移

・牡牝ごとの勝ち上がり率・収支平均

・牧場ごとの成績○✗

・その他傾向(初戦馬体重、血統、母との年齢差、etc)

についてまとめました。

2018年生まれの勝ち上がり率予測値算出に当たり、2021年6月6日現在の獲得賞金に対して200%の補正を加えて1000万円を超えた場合を勝ち上がりとすることにより、例年の勝ち上がり率と平準化するようにしています。

 

参考

勝ち上がり率全馬総平均24% 牡馬(30%)牝馬(17%)

収支プラス総平均 11%

獲得賞金1億円以上総平均 1.8%

2020年産駒デビューの種牡馬はこちら

 

棒グラフ:生まれ年ごとの登録頭数

折れ線グラフ:生まれ年ごとの勝ち上がり率

ディープインパクト

勝ち上がり率 56%

収支プラス 15%

獲得賞金1億円以上 11.4%

 

牡牝勝ち上がり/収支

牡65% -5300万円 牝48% -2200万円

牧場

○ノーザンファーム ✗千代田牧場、追分ファーム

とにかく勝ち上がり率は圧倒的で、2位のヘニーヒューズ(44%)を大きく離してトップのうえ、1億円以上獲得した産駒も内国産では2位のハーツクライ(4.5%)も大幅にうわまわる、安定しかつ大物を出す最優秀種牡馬。特に牡馬がよいが値段が高いため収支はあまりよろしくない。2018年生まれの予測勝ち上がり率(46%)は2012年生まれ(44%)以来の低迷となりそう。

 

ヘニーヒューズ

勝ち上がり率平均 44%

収支プラス 12%

獲得賞金1億円以上 2.7%

 

牡牝勝ち上がり/収支

牡49% -1600万円 牝36% -1200万円

短距離ダートのイメージだが勝ち上が率は非常に高く、今回集計するまでは予想もしていなかったが全体で2番めの数値。日本の種牡馬生活はじめたあとの2015年生まれ以降4年連続40%超え。初戦馬体重は550kgくらい大きい馬でもわるくない成績。ただし収支プラスは12%と全馬総平均11%とあまり変わらず1億円以上獲得の”アタリ”の馬も多くない

 

キズナ

勝ち上がり率 42%

収支プラス 13%

獲得賞金1億円以上 3.0%

 

牡牝勝ち上がり/収支

牡:46% −1900万円 牝:39% −1200万円

牧場

○社台ファーム ✗ダーレー・ジャパン・ファーム

エピファネイアに比べて大物は少ないが”安定して勝つ”種牡馬で、全体で3番めの高い勝ち上がり率。初戦馬体重480kg以上の大型馬がよい。クロスなしがもっともいい

 

ダノンバラード

勝ち上がり率平均41%

収支プラス 28%

獲得賞金1億円以上 3.4%

 

非常に高い勝ち上がり率だが2018年生まれは頭数も減らし勝ち上がり0となる予測。ただ初年度2016年生まれの好調の影響が出るのは4年後産駒デビューの2021年なので期待。牡牝差は(53%:25%)と断然牡馬

 

ハーツクライ

勝ち上がり率平均 40%

収支プラス 16%

獲得賞金1億円以上 4.5%

 

牡牝勝ち上がり/収支

牡:46% -1900万円 牝:35% -1400万円

牧場

○ノーザンファーム、白老ファーム、ノースヒルズ ✗下河辺牧場、千代田牧場

クロス総数は3がピーク。初戦馬体重412kg〜425kgが勝ち上がり率34%と比較的小柄でもわるくない。

 

ダイワメジャー

勝ち上がり率 40%

収支プラス 17%

獲得賞金1億円以上 3.8%

 

牡牝勝ち上がり/収支

牡45% −1800万円 牝36% −900万円

牧場

○ノーザンファーム、下河辺牧場 ✗千代田牧場

2018年生まれ勝ち上がり率(予測値)が29%と過去の実績からすると極端に落としている。また、母馬が高齢でも勝ち上がり率が落ちない

 

ロードカナロア

勝ち上がり率平均 38%

収支プラス 13%

獲得賞金1億円以上 3.9%

 

牡牝勝ち上がり/収支

牡 41% -2700万円 牝 36%  -1600万円

牧場:

○ノーザンファーム、白老ファーム、下河辺牧場 ✗社台ファーム、ケイアイファーム、辻牧場

全体の牡牝勝ち上がり率平均(牡:30% 牝:17%)と比べるといずれも高く、しかもやや牝馬のほうがよい。ただしディープ、キンカメなきあと期待されて種付け料も高額となっているが毎年成績を落としている。(2018年生まれは32%)クロス総数3〜4がよい(クロス総数3の例=Northen Dancerの5x5x5)

 

キンシャサノキセキ

勝ち上がり率平均 38%

収支プラス 14%

獲得賞金1億円以上 2.2%

 

牡牝勝ち上がり/収支

牡44% -900万円 牝33% -1100万円

牧場

○岡田牧場、辻牧場 ✗下河辺牧場

2018年生まれは頭数も減り結果もよくない。獲得賞金1億円以上が2.2%と総平均1.8と比べてあまり良くなくG1馬など目立った活躍馬も出ておらず低迷期にはいりそうな気配

 

ルーラーシップ

勝ち上がり率 35%

収支プラス 9%

獲得賞金1億円以上 2.1%

 

牡牝勝ち上がり/収支

牡43% -2200万円 牝28% -1600万円

牧場

○ノーザンファーム ✗社台ファーム

2017、2018年生まれの2年は若干落としている。牡牝勝ち上がり率差が(43-28=)15ポイントと平均より高くやや牡馬優勢。ノーザンファーム(64%)と社台ファーム(19%)の成績が対照的。収支プラスは総平均より低く、1億円以上獲得の割合も少なく、勝ち上がり率の割にはコスパがよくない

 

シニスターミニスター

勝ち上がり率平均 34%

収支プラス 13%

獲得賞金1億円以上 2.2%

 

牡牝勝ち上がり/収支

牡47% -300万円 牝24% -1000万円

牡牝差が(47%:24%)とやはり牡馬が大きく優勢。頭数が多い岡田牧場(38%)よりもグランド牧場が75%と高い

 

マジェスティックウォリアー

勝ち上がり率平均 33%

収支プラス 6%

獲得賞金1億円以上 2.5%

 

牡牝勝ち上がり/収支

牡43% -1600万円 牝20% -1400万円

牡馬が良い、ダート中心ということもあり馬体重は重いほうがいい。収支プラスの割合が6%と低いが産駒のほとんどが3歳と4歳なのでこれから期待

 

パイロ

勝ち上がり率平均 33%

収支プラス 12%

獲得賞金1億円以上 1.2%

 

牡牝勝ち上がり/収支

牡40% -900万円 牝26% -900万円

2015年生まれから成績やや低迷。坂東牧場生産がよい。獲得賞金1億円以上が1.2%と、総平均1.8%よりも低く”アタリ”を期待しづらい

 

ジャスタウェイ

勝ち上がり率平均 32%

収支プラス 5%

獲得賞金1億円以上 2.4%

 

牡牝勝ち上がり/収支

牡41% -2500万円 牝24% -2000万円

牧場

○ノーザンファーム ✗追分ファーム、千代田牧場、辻牧場

頭数も勝ち上がり率も2017年、2018年生まれと続けてダウン。まだこれから賞金を稼ぐ馬も多いはずだが収支プラスが5%とかなり低い

 

エピファネイア

勝ち上がり率平均 32%

収支プラス 3%

獲得賞金1億円以上 1.0%

 

牡牝勝ち上がり/収支

牡:33% -2500万円 牝:32% -1300万円

牧場

○ノーザンファーム、社台ファーム、レイクヴィラファーム ✗白老ファーム、シンボリ牧場

2017年 32% → 2018年 33%と好成績を維持しているが他の人気種牡馬から見ると低め。牡牝の差が1%とやはり”牝馬が強い”。サンデークロスの勝ち上がり率が34%とわるくない。産駒が3歳4歳のみなのでこれから賞金積み上げもあるが収支プラス、1億円以上獲得の割合が低いので過剰な期待禁物

 

ゴールドシップ

勝ち上がり率平均 32%

収支プラス 9%

獲得賞金1億円以上 1.3%

 

牡牝勝ち上がり/収支

牡:36% -1700万円 牝:28% -400万円

牡牝の勝ち上がり率の差が8ポイントしかなく、収支もよい牝馬が優勢。コスモヴューファーム生産がよい。クロスなしよりもあったほうが若干よい。初戦馬体重は480kgくらいまで大きすぎないくらいがよさそう。

 

カレンブラックヒル

勝ち上がり率平均 32%

収支プラス 16%

獲得賞金1億円以上 0%

 

牡牝勝ち上がり/収支

牡:37% -1000万円 牝:28% -700万円

やはり買えるのはノーザンファームだけ。クロスは少ないほどいい。獲得賞金1億円以上はまだ出てきていないが3歳4歳だけで収支プラス16%とかなり高いお買い得種牡馬

 

ドリームジャーニー

勝ち上がり率平均 32%

収支プラス 20%

獲得賞金1億円以上 3.5%

 

牡牝勝ち上がり/収支

牡:44% -200万円 牝:23% -900万円

全弟オルフェーヴルの下位互換の印象あるが成績からするとこちらが上。収支プラス率、1億円以上率ともに高いレベル

 

スクリーンヒーロー

勝ち上がり率平均 31%

収支プラス 13%

獲得賞金1億円以上 3.0%

 

牡牝勝ち上がり/収支

牡40% -800万円 牝23% -1100万円

牧場

○岡田スタッド ✗ダーレー・ジャパン・ファーム

めずらしく牡馬のほうが収支がよい。勝ち上がり率も17ポイント差なので買うなら牡馬。この2016〜18年と頭数も増えて30%超えと安定。

 

オルフェーヴル

勝ち上がり率平均 31%

収支プラス 9%

獲得賞金1億円以上 1.8%

 

牡牝勝ち上がり/収支

牡37% -2900万円 牝26% -1500万円

坂東牧場生産は勝ち上がり率1割未満とよくない。初戦馬体重500kg以上ならいくら重くてもいい。ラッキーライラック、エポカドーロとG1馬も出すが獲得賞金1億円以上が総平均とかわらず少し物足りない

 

エスポワールシチー

勝ち上がり率平均 31%

収支プラス 14%

獲得賞金1億円以上 1.3%

 

牡牝勝ち上がり/収支

牡37% -790万円 牝26% -680万円

 

ノボジャック

勝ち上がり率平均 31%

収支プラス 13%

獲得賞金1億円以上 1.1%

 

牡牝勝ち上がり/収支

牡41% 0万円 牝18% -490万円

 

ハービンジャー

勝ち上がり率 28%

収支プラス 11%

獲得賞金1億円以上 2.5%

 

牡牝勝ち上がり/収支

牡32% -1700万円 牝25% -1500万円

牧場

○ノーザンファーム ✗下河辺牧場、村上欽哉

2017年生まれは23%と過去最低の勝ち上がり率だったが2018年生まれは27%ともちなおしてきている。ハービンジャー自身がもつクロス総数2から追加クロスがないのが一番よい

 

ロージズインメイ

勝ち上がり率平均27%

収支プラス 12%

獲得賞金1億円以上 1.7%

 

こちらは牡牝勝ち上がり率ポイント差が16もあり、収支もよい牡馬優勢。成績は右肩さがりのようだが2017年でいきなり好成績を出したりなどまだまだ”買える”種牡馬。ビッグレッドファーム、コスモヴューファームが平均より若干良い

 

ヴィクトワールピサ

勝ち上がり率平均 27%

収支プラス 9%

獲得賞金1億円以上 1.2%

 

牡牝勝ち上がり/収支

牡35% -2300万円 牝21% -1400万円

谷川牧場(43%)社台ファーム(34%)がよい

 

ブラックタイド

勝ち上がり率平均 25%

収支プラス 9%

獲得賞金1億円以上 1.1%

 

牡牝勝ち上がり/収支

牡29% -1600万円 牝22% -1100万円

ノーザンファーム(51%)と下河辺牧場(47%)生産がよい。キタサンブラックの印象が強いが、勝ち上がり率はわずかに平均を上回ったものの、収支プラス・獲得賞金1億円以上が平均を下回る

 

バトルプラン

勝ち上がり率平均24%

収支プラス 12%

獲得賞金1億円以上 1.4%

総平均24%とほぼ同じ。牝馬が20%と健闘

 

リアルインパクト

勝ち上がり率平均 23%

収支プラス 6%

獲得賞金1億円以上 0.6%

 

牡牝勝ち上がり/収支

牡27% -1200万円 牝19% -1500万円

2018年は19%と数値を落としている。買うならノーザンファーム(46%)

 

メイショウサムソン

勝ち上がり率平均 23%

収支プラス 11%

獲得賞金1億円以上 1.8%

勝ち上がり率、収支プラス、1億円以上すべて”ちょうど平均”くらい。牡馬やや優勢

 

ダノンシャンティ

勝ち上がり率平均 22%

収支プラス 7%

獲得賞金1億円以上 1.0%

2015年生まれ以降低迷。ビッグレッドファーム生産がいい

 

バゴ

勝ち上がり率平均 21%

収支プラス 10%

獲得賞金1億円以上 2.2%

 

牡牝勝ち上がり/収支

牡27% -900万円 牝15% 300万円

2018年生まれは12%と全体的に勝ち上がり率が低いが、(牝馬収支平均がプラスになるなど)収支がよく当たり外れがおおきい。

 

トゥザワールド

勝ち上がり率平均21%

収支プラス 8%

獲得賞金1億円以上 0%

牡牝差は(18%:23%)と牝馬のほうが高い。ノーザンファーム勝ち上がり100%

 

メイショウボーラー

勝ち上がり率平均20%

収支プラス 10%

獲得賞金1億円以上 1.1%

 

近年やや下降気味。牡牝差が(30%:11%)とやはり牡馬。初戦馬体重は500kg〜520kgくらいの大型馬がよい

 

ダンカーク

勝ち上がり率平均 20%

収支プラス 9%

獲得賞金1億円以上 0.8%

日本初年度産駒2016年生まれが期待ほどではなく今後も大きな期待は難しいか

 

ディープブリランテ

勝ち上がり率平均 20%

収支プラス 10%

獲得賞金1億円以上 0.9%

 

エイシンフラッシュ

勝ち上がり率平均 20%

収支プラス 10%

獲得賞金1億円以上 0%

 

ワールドエース

勝ち上がり率平均18%

収支プラス 5%

獲得賞金1億円以上 0%

牡牝差は(26%:9%)で牡馬優勢。収支も牡馬のほうがよい

ケイムホーム

勝ち上がり率平均18%

収支プラス 8%

獲得賞金1億円以上 0.8%

 

トーセンラー

勝ち上がり率平均 12%

収支プラス 12%

獲得賞金1億円以上 2.5%

勝ち上がり率が総平均24%の半分だが、(今後賞金上積みも期待される上に)すでに収支プラス、獲得賞金1億円以上が平均を超えており、安定感はないが大当たり出す可能性を秘めた種牡馬

 

獲得賞金1億円以上の産駒割合

これまでも”アタリ”を出す指標として紹介しました獲得賞金1億円以上の産駒を出す割合を、2020年生まれの産駒がいる種牡馬にしぼり、上位から30位までをグラフでご紹介します。

棒グラフ(青)は産駒頭数、折れ線グラフ(赤)が1億円以上獲得した産駒の割合、左から好成績順に並んでいます。

やはりトップはディープインパクト。そのあとはSpeightstown, Frankel , Medaglia d’Oroといった、外国産馬や持ち込み馬でよく見かける父馬の名前が出てきます。サンプル数がすくないもののこの外国産3頭は勝ち上がり率=安定度も高く今後もこの3頭の産駒と、このように頻繁に見かける外国種牡馬の産駒はきっと日本に合うと判断されていると思われるので注目です。

そのあとのハーツクライ、ロードカナロア、ダイワメジャーは順当ですが、ドリームジャーニー、ダノンバラード、アドマイヤムーン、バンブーエールは意外です。(ダノンとバンブーはサンプル数が少ないので信頼度低いですが)

獲得賞金1億円以上率の全馬平均は1.8%。大きいリターンを目指すならこのランキング内、できれば上位の種牡馬を狙いたいところです。

 

収支平均ランキング

最後に収支もご紹介します。価格が安い馬が上位に来てしまうのであまり参考にはしづらいですが”お買い得度”をはかるのに使えると思います。こちらも2020年に産駒がいる種牡馬について過去20年分の市場取引馬・クラブ所属馬にしぼった結果をグラフ化しています。

棒グラフ(青)は産駒頭数、折れ線グラフ(赤)が産駒の収支平均、左から好成績順に並んでいます。

勝ち上がり率、1億円以上率とあわせてこちらでも上位に登場する、バゴ、ドリームジャーニー、シニスターミニスターなどは価格も手頃で成績も安定ししさらに”アタリ”も期待できるお得な種牡馬といえそうです。また産駒がまだみな若く今後も賞金を積み上げそうなトーセンラー、ジョーカプチーノ、カレンブラックヒルはさらに上位にあがってくるかもしれません。

 

まとめ

勝ち上がり率上位:ディープインパクト、ヘニーヒューズ、キズナ

牡馬がいい:ディープインパクト、スクリーンヒーロー、ジャスタウェイ

牝馬がいい:ロードカナロア、エピファネイア

2018年産がよくない:ダイワメジャー、ディープインパクト、キンシャサノキセキ

Speightstown, Frankel , Medaglia d’Oroなど常連外国種牡馬は注目

2020年産駒デビュー新種牡馬はこちらに

参考リンク

”ほどよい競馬”さん:2021年度種付料一覧(外部リンク)