過去20年のクラブ収支・勝ち上がり(ノーザン・社台系)【2022年7月】

ノーザンファーム・社台系クラブ過去20年間の成績推移を見ていきます。

今回は2019年生まれのデータも取り込みました。勝ち上がり率には2019年生まれが低くならないよう補正を入れてありますが収支はそのまま計算しているため、特に今後レースで賞金の上積みが期待される2019年生まれなどは収支が低めに出てています。

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棒グラフ:件数=募集頭数 (縦軸左)

折れ線グラフ:勝ち上がり率・収支平均(単位:万円) (縦軸右)

横軸:生まれ年

シルクホースクラブ (勝ち上がり10位:収支10位)

勝ち上がり率

2010年生まれ以降勝ち上がり率が大幅にあがっていますが2019年生まれは1月時点からだいぶもりかえして平年並みです。

収支平均

2015年生まれはアーモンドアイ、インディチャンプの活躍もあり大きくプラス収支となりました。2016年以降生まれはグラフ上落ち込んでいるように見えますが今後の賞金上積みがあるので成績は悪くありません。

どうやらノーザンファームの馬中心になってきた2010年あたりから収支・勝ち上がりともに成績上がっていますが、むかしの”冬”の時代の影響で、平均すると成績が全クラブの真ん中より下になっていたようでした。近年はG1馬も出てきて勝ち上がり率も高く、会員サイトでの情報更新も頻繁で見やすくオススメのクラブです。

傾向メモ

牡牝勝ち上がり率(45%・31%)

○スクリーンヒーロー、ルーラシップ、ダイワメジャー、ドゥラメンテ

○ノーザンファーム、坂東牧場  ✗千代田牧場

○木村哲也厩舎

✗米国産以外の外国産馬(勝ち上がり率1割未満)

 

サンデーサラブレッドクラブ (勝ち上がり2位:収支1位)

勝ち上がり率

この20年平均では2位となりましたが、このところ5年連続5割超えなど安定的に好成績です。2020年度の募集馬レベルも全体1位です。2019年生まれも通常運転の50%越え

収支平均

2018年生まれは2022年1月時点で獲得賞金1億円超えのG1馬が3頭もいながらこの収支平均マイナスはさすがに高額馬がたくさんそろったクラブならでは。

2009年生まれの収支プラスはジェンティルドンナなど。その前の年には三冠馬オルフェーヴルがいます。収支も全体1位と優秀。一口の価格が高いことと競争が激しいことを除けば勝ち上がり、収支ともに高く文句ないクラブといえそうです。

傾向メモ

牡牝勝ち上がり率(54%・41% 牡牝差平均通り)

○ルーラーシップ、ハーツクライ、モーリス

○ノーザンファーム ✗坂東牧場、追分ファーム

○池添学厩舎

○遅生まれのほうが若干よい

 

社台サラブレッドクラブ (勝ち上がり3位:収支6位)

勝ち上がり率

勝ち上がり2位のクラブですが長期的にはやや下降傾向が見られます。特に2017年生まれの成績が過去20年間で最低ですが2019年生まれでやや復調気配

収支平均

収支も近年低調です。2011年生まれのイスラボニータがいなければ2008年までと2009年以降で大きく様変わりしてしまったようです。

サンデーと同様40口クラブで一口の価格が高いので(競争が少なく出資しやすい以外で)あえてこちらのクラブを選択しづらいところですが、2021年度募集馬でも海外繁殖牝馬の産駒が目立ち始め血の入れ替えをはかっているようで、今後の巻き返しも十分期待したいところです。

傾向メモ

牡牝勝ち上がり率(53%・40% 牡牝差平均通り)

2番仔から12番仔までが勝ち上がり率40%以上と母馬高齢時でも安定した成績

 

 

キャロットクラブ (勝ち上がり5位:収支4位)

勝ち上がり率

2014年だけ良くないですがそれ以外はシルクと同様2010年あたりから安定して高い勝ち上がり率。特にこの3年も高く2019年度募集馬のレベルも全体2位でしたが結果はいまのところやや低調気味です。

収支平均

2014年生まれは勝ち上がり率は落ち込んだもののリスグラシュー、レイデオロの活躍で逆に収支平均は最高額を記録しています。2018年生まれはエフフォーリアが多くの賞金を稼いでいるものの全体的に高額化が進んでいるせいか平均はまだマイナス、2019年はこれから賞金積み上げありますが大きくマイナス

人気のためもっとも入会しづらいと噂ですが、シルク・サンデーと同様重賞・G1馬を出し勝ち上がり率も高く今後も期待できるでしょう。

傾向メモ

牡牝勝ち上がり率(51%・36% 牡牝差平均通り)

○エピファネイア、モーリス

○レイクヴィラファーム、新冠橋本牧場 ✗社台ファーム

○堀宣行厩舎、池江泰寿厩舎

○当歳セリより1歳セリで購入された馬のほうがよい(当歳35%→1歳49%)

 

東京サラブレッドクラブ (勝ち上がり4位:収支12位)

勝ち上がり率

20年前に比べて大幅に募集頭数を増やしており、頭数が増えた2005年生まれあたりから勝ち上がり率も安定的に伸びています。

収支平均

2006年生まれはレッドディザイア、レッドスパーダ、イタリアンレッドの3頭中心に収支大幅プラス。募集総額が高めということもあり収支平均は全クラブ中真ん中より少し下あたり。

東サラを”社台系”といれるのは微妙ですが最近ノーザン・社台・追分の馬が多いのでこちらに入れてみました。最近はキャロット・シルク・サンデー・ノルマンディーに次ぐくらいの人気クラブですが、意外に過去20年でG1勝ちなど”大当たり”の馬は見当たらず。(キャロット・シルク以外で)高確率で勝つ馬を安い価格でという方向けのクラブという位置づけです。

傾向メモ

牡牝勝ち上がり率(47%・38% 牝馬健闘)

○ロードカナロア、ハーツクライ

○ノーザンファーム、坂東牧場 ✗社台ファーム、白老ファーム

○若干遅生まれがよい

○国枝栄厩舎、庄野靖志厩舎

○キャロットと同じく当歳セリより1歳セリ

 

 

グリーンファーム愛馬会 (勝ち上がり11位:収支3位)

勝ち上がり率

クラブHPも含めて若干地味な印象ですが勝ち上がり平均は全クラブで真ん中より少し上。ただこの2年は低調

収支平均

ノーザン・社台系にしてはお求めやすい総額設定の馬が多い影響で収支平均はかなり上位。2004年生まれはブエナビスタの猛追をしのいでエリ女をとったクィーンスプマンテなどで収支プラス。

私は退会してしまいましたが(あまり高くないものの)安定的な勝ち上がりと収支。ただこの20年の獲得賞金最高がマキシマムドパリで、獲得賞金1億円以上4頭、2億円以上0頭と”当たり”がでなさそうなのでちょっと手を出しづらいクラブかもしれません。

傾向メモ

牡牝勝ち上がり率(39%・35% 牝馬がよい)

○1月生まれ

○ハーツクライ

○ハシモトファーム、吉田ファーム ✗ノーザンファーム

○加用正厩舎、矢野英一厩舎

○米国産馬

やや関東優勢

 

G1サラブレッドクラブ(勝ち上がり6位:収支15位)

勝ち上がり率

全体的に高いですが2016年・2017年・2018年と募集頭数が増えた影響か急に悪くなりました。2018年生まれは前回集計時の予測値から結果は改善。ただ2019年生まれももうひとつ

収支平均

2014年生まれはペルシアンナイトとサングレーザーで大幅プラス。

サンデー・社台と同じ40口クラブ。2014年2015年の好調と2016年以降の不調のどちらが本来の姿か見極めてからと思いましたが当面は2016年以降の状態が継続しそうです。

傾向メモ

牡牝勝ち上がり率(51%・35% 若干牡馬優勢)

○ノーザンファーム  △社台ファーム

○ダイワメジャー、ハーツクライ

○萩原清厩舎